siztutor2005-08-03

著者からのコメント

受験漫画でもスポ根です!!
僕は『クロカン』『甲子園へ行こう』という二つの高校野球漫画を今まで描いてきました。勝負事を描くのが好きなんです。『ドラゴン桜』は、受験をテーマにしているので、勝負事というと関係ないと感じる読者も多いかもしれません。
けれども、僕は、受験も立派な勝負事だと思います。野球をしている人は甲子園を目指す。それと同じで、勉強して受験をするなら東大を目指してもいいと思います。野球を一生懸命やっている人は、かっこいいのに、勉強を一生懸命やっている人はかっこ悪いというイメージが世間にはあるようですが、僕は、それは何か違うと思います。勉強を好きな人が、堂々と胸を張っていいんじゃないかと。だから、僕は、『ドラゴン桜』では、勉強ができるということを、かっこいいこととして描こうと思いました。だんだんと生徒が勉強ができるようになっていくと、野球の試合でチームが勝ちあがっていくようなカタルシスが作れるのではないかと思っています。野球の試合と違って、『ドラゴン桜』は教室内で物語が進むために、絵に変化をつけるのに苦労していますが。
また、教育現場では、誰もが公平であることを重要視しますが、実際の社会では、誰もが公平であるということなどありえません。社会にでれば、急に競争を勝ち抜かなければいけなり、守ってくれる人はいません。生徒を学校にいる間は、競争させずに甘やかして、その後のことは知らないというのは、残酷です。一見厳しいようですが、受験勉強を必死になってやらせるというのが実は、最も生徒思いの行為ではないかと考えています。
漫画としてのストーリーの面白さだけでなく、受験についての情報でも勝負をしているつもりです。今は、「子供に読ませています」という親である読者からのお便りが多く来ます。来年の受験が終わった頃に、受験生からもお便りが来ればうれしいですね。